セミナー・イベント報告
2005年10月17日
上海起業家登龍門報告
上海起業家登龍門、会場は、上海でも最近開発された、入口にスターバックスがあるようなおしゃれな新天地という地区にあるARKというライブハウス。前夜祭で60〜70名いたようで、イベント自体は100名を越えていたか? 外は石づくりで中は木で装飾された3階建ての趣のある建物で、オーディエンス席は白いパイプ椅子がぎっしりキツキツに敷き詰められている。
このイベントは今年のはじめに大阪で開かれたドリームゲートスター誕生の上海版と言えるもので、その感想はドリームゲートのウェブサイトに書いたように素晴らしいもので、簡単に言うと、起業家がビジネスプランをプレゼンして、メンター社長が共感したら資金提供その他を含めた協力をするというマッチングイベントだ。
司会が下手くそで、メンター社長(が札で「資金提供する」と出すんだが)の意思表示が舞台からも客席からも見にくくて進行がスムーズでないといった欠点は大阪と変わらず解決されていなかったし、大阪と違い、客席の投票といったオーディエンスの参加形態が用意されていなく、全体としての印象としての盛り上がりに欠けた(この感想はイベント終了後にもらしていた人が他にもいた)のは事実だ。もっとも準備側もほとんど一人で死ぬ思いでやったのだろうと想像されるからそこまで求めるのは無理だとも分かってはいるので、だんだんとよくなっていくことを期待している。
大阪ではまだこれから本格起業とか実際にはアイディアだけで実行はしていないという人も多くプレゼンしたのだが、今回のプレゼンした6組は、もうかなり上海で事業を展開していて、もうそれ成功事例の報告じゃん、といったものまであったほどで、かなり質が違う。「この業界で世界トップを目指すために」、「日本文化を根付かせるんだ」、「農業システムを全面改革」、といった大きな話へ向けてのステップなんである。だからこそおもしろい面もあるし、メンター社長がIT系ばかりだったのでそれとのマッチングという面ではやや難があったのも事実だが、そうしたリアルなビジネスをしている上海とそうではない日本との対比という意味でも興味深かったと言える。以下、プレゼンの紹介と一言コメント。
プレゼン中、唯一の女性が日本から注文が来る3DCADを上海で短納期で安く日本品質出している会社の社長(なおメンター社長は全員男)。日本だと納期は長くなって3倍の値段がする注文も、他にはない高品質で納品するので営業をしないでも繁盛しているというが、経営戦略をきっちりしきっていく人間がいないのでそのあたりの協力を、という話。プレゼンした社長はオーストラリアでデザインの学位をとってノベルティのデザインなどをした後、上海に来て、現在は新築マンションの3Dバーチャル映像などをつくる仕事を受けており、もう一人のパートナーは中国人の女性で日系企業での実績もある人だ。まだこれだけの品質の仕事をする会社は上海になく、日本の大手からも仕事がどんどん来ているので、ライバルがいないうちにこの業種で世界一になっておきたいが、そうしたことを進めていく人材がいないのだ。英語・中国語・日本語が対応できるので、ほぼ全世界の仕事をとってこられるのにもったいないという話。中国人とパートナーを組んでいることと海外経験を経てあえてこの地でトップを目指す、なんとも上海らしい成功していく一典型だなあという印象。
よくある例に商社で上海勤務をしていてこの地の魅力にとりつかれて会社をやめてこちらで起業する例があるが、その一例なのが、外食FC業態開発の会社をつくりたいというプレゼン。すでに焼肉レストランなどをいくつかFCで展開している。FCなのでそれほど資金はいらず、業態を売っていくということで、商社時代も外食産業で飲食については自信があり、FC潜在顧客リストも1000件はあるという。ファミレス、寿司、焼肉などもろもろいろんな業態を全て網羅するFC業態開発ができるようにして、それを中国で大きく展開し、そのブランドが日本に逆輸入されるようにまでなりたいとのもくろみもある。日本ではすでに外食産業は先人が培ってきたものが多く、なかなか今から食い込めないが、上海ではまだまだ洗練の余地が多くあり日本品質でやれば群を抜ける。そこで一気にいきたいが、まずは成功している繁盛店を直営で1店舗持っていて「これを見ろ」というのがないとFCで売っていくには説得力不足なんで、その1店舗2〜3千万円が欲しいという要求。よく聞くタイプの上海でのしあがってやるタイプだなあと思って聞いた。
中国と言えばヒト・モノが圧倒的に安いからそれを利用して日本向けビジネスをするのが基本だが、ここでは飲食の店の内装や設備一式を全て上海で一貫生産して上海から日本の最寄の港まで運んで一番高い日本国内の陸送を最小限にして圧倒的に安いコストで飲食業を開業できるという売り込みでやっている会社がプレゼン。すでにヤマト運輸の上海倉庫の3分の1を使ってるというからすごいではないか。とにかく在庫も上海に置くから日本でやっているのとでは比較にならないほど安い。最初に開業する時には銀行借入にも限度があるが、これだけスタートアップのコストを下げられれば、かなりいける人が出てくるということで、チェーンであれば同じ仕様をたくさんつくればよりスケールメリットもうまれてさらに安くなる。それも設備といっても皿やカップ類なども含めて全てトータルパッケージでそろえるというのが売りで、好評だという。だが、いかんせん日本に拠点をもって営業していないので、その部分を何とかしたいとの要望。日本に拠点をもって営業をするとせっかくの低コストでの提供という最大のメリットが死んでしまうのでそこを何とかという話で、ウェブマーケティングなどの会社が手伝おうかといったマッチングの方向へ。ただ、あまりにももう完成されているビジネスなんで何を手伝えばいいのか、といった声をメンターからはあがっていた。こんな商売が上海(中国)にはごまんとあるんだろうねえ。
今やオフショア開発でITシステム開発もどんどん中国にいっているわけだが、IT人材、特に中位レベル以上の人材不足は世界的にも深刻で、例えば中国でやる場合、日本語と中国語とそれらの文化やコミュニケーション術の差異にまで気を配って仕事のやりとりができるブリッジSEに至っては非常に足りず、ほとんど人材募集をしても見つけられない状態だ。そこでそうした人材を育成し、派遣していくビジネスをしたいとのプレゼン。ウェブ上にポータルをつくってマッチングシステムをつくることしか現状ではできないが、資金提供していただければきっちり人材を確保する拠点をつくって派遣業を展開できるとのこと。日本では人材派遣はもう細分化されて特化されたものがたくさんあるが、上海ではまだまだそこまでないので、チャンスがあるのだという。インドなんかだと英語もできるし違う面もあるんだろうけど、まあとにかくコンピュータ関連がみんな今は中国だからねえ、こういうブリッジSE人材をいかに確保できるかがキーの1つなんですね、勉強になりましたわ。
プレゼンした中では一番年齢が高い人だろうか。農業ビジネスのプレゼンがあった。農業をやっていて品種改良技術なども手がけてきた人で、空港がある浦東地域の農業地域に農業技術指導員として中国政府から招聘されてきたのが上海に来たきっかけだという。中国では巨大な農地が整備されていて設備も国営だからばっちり整っているが、国営の経営でうまくいかなくなって放置されているところもたくさんある。そういうところをどんどん提供してもらって、付加価値の高い日本の農業技術を導入していこうというのが基本の考え。2007年問題で団塊の世代が次の世代へ農業を譲る時期に、シニアで世界に誇る農業技術をもっている日本の農民を中国に連れてきて、土づくりも何も技術がない中国で技術指導をし、貧困にあえぐ中国農民もそれで生産を増強して豊かになるというどっちもよころぶモデルである。日本の農協は共同出荷から金融まで何でもやって弊害がすごくあったが、一方で農業技術の普及という意味ではかなり役立った。中国にはないので、中国における農協のようなもの、それも農業技術のシェアリングという部分を担うものをやっていきたいということだ。そのために、日本からシニア農民をリクルーティングする部分などを支援して欲しいとのこと。中国の退役軍人が主なメンバーになっている100%国出資の会社でやるので、いい技術さえ持ってこれれば自己資金などいらずにどんどんできてしまう。そのへんが社会主義国家のすごいところだ。このビジネスプランは私には一番衝撃的だった。また、例えばヨーロッパのバラはほとんどヨーロッパでは生産されておらず、ケニアで生産されているのだが、それを赤道直下で年間の気温が一定しているところだと大きくて丈夫な花が1年中出荷できるからで、サントリーが遺伝子組み換えでつくったブルーカーネーションも南アメリカでつくっているが、これを中国でもつくろうということで中国への安全性の申請書類の作成などもして、やっていくとのことだ。雲南省で大球場1つ分くらいの土地が確保できているので、いちごやカーネーションやバラを栽培していく予定だという。例えばコージーコーナーというケーキ屋があるが、ケーキは全て中国の山東省でつくられていて、冷凍で日本に来ている。しかし中国は夏いちごがないので、いちご不足なんだそうだ。そこでそういうところに供給する意味でも単価が高いいちごはターゲットしていいという。日本でもバブル時にはケーキ売り上げがすごくあがったそうだが、中国でもまだケーキはまずいのしかないので、おいしいケーキなら高くてもどんどん売れるだろうとのこと、といろいろ脱線してくるが、プレゼン後に好きな起業家のところにいって話を聞ける分科会で彼のところに行ったのでまたその報告は後ほどに。とにかく農業は基本だし、大きなビジネス。これは日本では聞けないレベルの話である。
最後のプレゼンは最も多くの人に強い印象を与えたスキンヘッドの32歳のマグロ漁師の息子で、上海でマグロ、それも中トロ・大トロだけの店をやっている。昼間は高級ホテルの日本食レストランなどへ卸し、夜はレストラン「天家」。もちろん中国で生の魚を食べるということはなく、なかなか売れず、マグロがこれだけ好きというのは日本独特なものなんだが、中国のモノ・ヒトが安いのを使ってなんかしようというのはもう時代遅れで、「日本のマグロ文化を中国に浸透させる」との中国人に日本文化を受け入れてもらうという意気込みでやるのがこれからだ、というのはすごく強いメッセージだった。世界のマグロの9割は一度築地に来て、そこからまた世界に出荷されるのだが、彼はもちろん築地からも入れているが、オーストラリアから直接入れるようなこともして、これなど業界的にはかなり画期的なことなんだそうだ。メンター社長で行ったことある人がとにかくおいしいと太鼓判。他のメンター社長もうちはIT系だから会社として支援は決裁できないが、個人的に行って応援という札ばかり。う〜ん、こういう人がいるから上海はおもしろい。
プレゼン終了後はそれぞれ興味のある起業家のところにメンターやオーディエンスが集まって分科会だが、なんかきっちりしタしきりがなく、ばらばらでイベント的には「らしい」ものにはなっていなかったが、すぐに実利的に次の話にすすむようなつながりをつくれる場であったことは事実なんだろう。分科会後の懇親会では起業家でも参加者と話すこともなく食事してる風景もあった。長時間のわりには気抜けした感じもあるイベントだったが、それだけ皆完成度も高く、来ている人たちも目的意識がある程度定まった人も多かったし、何といってもこのようなイベントでビジネスを披露して交流できる場をつくったということ自体に価値があり、一応成功したと言えるであろう。
懇親会で何人かとしゃべていたが、上海でこれからビジネスしたい日本からの留学生などもいたが、上海で1年やってきたよしださんらが出資している会社の社長とかもいるわけだし、その他にも今日集まっている人たちがどういう人たちで、どう結び付けたらいいかなんてマッチング役をする人がいなくて、せっかく同じ場に集まっていたのに出会うチャンスをみすみすなくしている例もあったんではないかと思う。とりあえずできる範囲で引き合わせはしたが、本当は参加者リストくらいつくっておいた方がよかったですよね。プレゼン一覧の紙一つ配布されなかったわけだし。ま、そんなでひとまずの報告はここまで。
以下、上海で感じたことの感想。誰かのプレゼンにもデータとして出ていたが、2010年には中国経済が日本を追い越すだろう。アジアの中心は中国になり、日本は没落していくのみかもしれない。公害がこれから深刻になるだろうと思ったが、半年や1年で一気に自転車が電気スクーターに変わることに象徴されるように、より進んだ技術が先に入ることによって公害を撒き散らす技術を飛び越すことができる可能性も高い。リニアモーターカーの商業運転もずっと先にやっているし、自動車もどんどん新しいものになっていて、自動車もほとんどがフォルクスワーゲンだったりバスならボルボだったりするし、リニアモーターカーもドイツの技術。そういうものをどんどん入れてすぐに使ってしまうのだから、余計な遺物がないだけ日本よりずっといかもしれない。日本は軍国主義で富国強兵をし、敗戦後はアメリカの軍事的傘のもと成長していったわけだが、中国は社会主義がいまだにきっちりしているから、いざ規制をするとなれば徹底してするから、それこそ偽物ブランド商売が激減したことに象徴されるようにやる気になればすぐ対応できるわけだ。
一方で、日本人のように過労死するほど働きすぎて、挙句に幸せも感じられないという社畜になってしまうのと比較して、中国人は監視していないとすぐさぼる。だから品質管理は徹底しないと恐いとよく言われる所以だが、これは裏を返せば、庶民の生きる知恵が賢いということなのだ。社会主義政権下で朝令暮改で勝手な政策を強権的にやられるかわりに、それをうまくやり過ごすスマートな生き方がきちんと身ついている。制度や社会に使われるだけ使われてぼろぼろになるようなやわな人間ではないのだ。
農業ビジネスの分科会でいろいろ聞いたのだが、中国産の野菜は農薬がたくさんで危険などという言われ方がされる場合もあるが、実際にはほとんどの中国農民は貧乏だから農薬を買えず、無農薬ばかりなのである。また、大規模農場で管理もコンピュータ化されているから、今後重要になるトレーサビリティーも日本よりずっと進んでいて完璧なトレーサビリティがすぐ可能になるのだ。農業は地産地消が一番いいが、都市への供給を考えた時に、将来を見越して準備をしている。雲南省はチベットと国境を接する秘境のようなところだが、ここでの農業には力を入れていて、雲南省からの農産物の輸送には補助金が出てすごく安いんである。2010年を越せば中国は農産物の輸出国から輸入国になるだろうとの予測もあり、きっちりと生産性の向上のために投資をしている。食糧安全保障も視野に入れた社会計画が遂行されているわけだ(日本とは違って)。
上海市で1300万、周辺部もあわせれば1億3千万もいるという規模だから、動けばすごいものになるし、だいたい中国は何千年も先進国であって日本との戦争中だけ後進国だっただけで、歴史の流れからすれば日本がリードしたのなど一瞬のこと。それにしても本当に日本の繁栄は短かったと言えよう。自動車生産でアメリカを抜いたとか喜んでからバブル崩壊まで。ほんの2〜30年だろうか。
中国の経済成長はすごすぎて、2008年北京オリンピック、2010年上海万博を過ぎると揺り戻しが来るんじゃないかとの声も少しはあるが、今がバブル的かもしれないとしても、日本ようなバブルにはなりえない。土地は国有だし、投機的な金融で儲けるということが構造上ないわけだから。土地の含み益だけで異常に盛り上がってドスンということはないわけだ。あくまでも実経済が動いていると言える。
ほんと、日本ももう人口減ってくし、余計な行政コストも削減して、ゆっくりそのへん耕してサブシステンス経済にしてこうよ。それしかもう選択肢ないと思うよ。アメリカは世界で政治的にも孤立してるし経済もボロボロだし、その傘のもとにいることをわれわれは民主的な制度のもとで合意してきたわけで、それはもう引き返せないとこまで来てるわけだし、日本のアジア内における価値なんてほとんどなくなってきてるんだからさ。
農業ビジネスの人は屋上緑化なんかもやっているわけだけど、ドイツなど都市計画の中に屋上緑化を組み込んでいるからそれに耐えられる丈夫な建築物が前提とされ、屋上に10〜15センチもの土を入れていろいろ植えるわけだ。日本では技術革新でどれだけ土を薄くするかということしかやってないが、ドイツだと集中豪雨でも屋根の土が吸収する分で急激に流量が増えることを避けるダムの役割だってするんだという。そうした都市計画をすれば、無駄ですぐ使えなくなるダムをつくるよりずっと効果的で、都市も豊かになるのにそういう計画は立てられない。それが日本の現状なんである。
上海からは飛行機2時間で大阪に着く。そしたらまた日本の現実を生きねばならない。というわけでまた私は地域に戻って地道に続けていくのである。
このイベントは今年のはじめに大阪で開かれたドリームゲートスター誕生の上海版と言えるもので、その感想はドリームゲートのウェブサイトに書いたように素晴らしいもので、簡単に言うと、起業家がビジネスプランをプレゼンして、メンター社長が共感したら資金提供その他を含めた協力をするというマッチングイベントだ。
司会が下手くそで、メンター社長(が札で「資金提供する」と出すんだが)の意思表示が舞台からも客席からも見にくくて進行がスムーズでないといった欠点は大阪と変わらず解決されていなかったし、大阪と違い、客席の投票といったオーディエンスの参加形態が用意されていなく、全体としての印象としての盛り上がりに欠けた(この感想はイベント終了後にもらしていた人が他にもいた)のは事実だ。もっとも準備側もほとんど一人で死ぬ思いでやったのだろうと想像されるからそこまで求めるのは無理だとも分かってはいるので、だんだんとよくなっていくことを期待している。
大阪ではまだこれから本格起業とか実際にはアイディアだけで実行はしていないという人も多くプレゼンしたのだが、今回のプレゼンした6組は、もうかなり上海で事業を展開していて、もうそれ成功事例の報告じゃん、といったものまであったほどで、かなり質が違う。「この業界で世界トップを目指すために」、「日本文化を根付かせるんだ」、「農業システムを全面改革」、といった大きな話へ向けてのステップなんである。だからこそおもしろい面もあるし、メンター社長がIT系ばかりだったのでそれとのマッチングという面ではやや難があったのも事実だが、そうしたリアルなビジネスをしている上海とそうではない日本との対比という意味でも興味深かったと言える。以下、プレゼンの紹介と一言コメント。
プレゼン中、唯一の女性が日本から注文が来る3DCADを上海で短納期で安く日本品質出している会社の社長(なおメンター社長は全員男)。日本だと納期は長くなって3倍の値段がする注文も、他にはない高品質で納品するので営業をしないでも繁盛しているというが、経営戦略をきっちりしきっていく人間がいないのでそのあたりの協力を、という話。プレゼンした社長はオーストラリアでデザインの学位をとってノベルティのデザインなどをした後、上海に来て、現在は新築マンションの3Dバーチャル映像などをつくる仕事を受けており、もう一人のパートナーは中国人の女性で日系企業での実績もある人だ。まだこれだけの品質の仕事をする会社は上海になく、日本の大手からも仕事がどんどん来ているので、ライバルがいないうちにこの業種で世界一になっておきたいが、そうしたことを進めていく人材がいないのだ。英語・中国語・日本語が対応できるので、ほぼ全世界の仕事をとってこられるのにもったいないという話。中国人とパートナーを組んでいることと海外経験を経てあえてこの地でトップを目指す、なんとも上海らしい成功していく一典型だなあという印象。
よくある例に商社で上海勤務をしていてこの地の魅力にとりつかれて会社をやめてこちらで起業する例があるが、その一例なのが、外食FC業態開発の会社をつくりたいというプレゼン。すでに焼肉レストランなどをいくつかFCで展開している。FCなのでそれほど資金はいらず、業態を売っていくということで、商社時代も外食産業で飲食については自信があり、FC潜在顧客リストも1000件はあるという。ファミレス、寿司、焼肉などもろもろいろんな業態を全て網羅するFC業態開発ができるようにして、それを中国で大きく展開し、そのブランドが日本に逆輸入されるようにまでなりたいとのもくろみもある。日本ではすでに外食産業は先人が培ってきたものが多く、なかなか今から食い込めないが、上海ではまだまだ洗練の余地が多くあり日本品質でやれば群を抜ける。そこで一気にいきたいが、まずは成功している繁盛店を直営で1店舗持っていて「これを見ろ」というのがないとFCで売っていくには説得力不足なんで、その1店舗2〜3千万円が欲しいという要求。よく聞くタイプの上海でのしあがってやるタイプだなあと思って聞いた。
中国と言えばヒト・モノが圧倒的に安いからそれを利用して日本向けビジネスをするのが基本だが、ここでは飲食の店の内装や設備一式を全て上海で一貫生産して上海から日本の最寄の港まで運んで一番高い日本国内の陸送を最小限にして圧倒的に安いコストで飲食業を開業できるという売り込みでやっている会社がプレゼン。すでにヤマト運輸の上海倉庫の3分の1を使ってるというからすごいではないか。とにかく在庫も上海に置くから日本でやっているのとでは比較にならないほど安い。最初に開業する時には銀行借入にも限度があるが、これだけスタートアップのコストを下げられれば、かなりいける人が出てくるということで、チェーンであれば同じ仕様をたくさんつくればよりスケールメリットもうまれてさらに安くなる。それも設備といっても皿やカップ類なども含めて全てトータルパッケージでそろえるというのが売りで、好評だという。だが、いかんせん日本に拠点をもって営業していないので、その部分を何とかしたいとの要望。日本に拠点をもって営業をするとせっかくの低コストでの提供という最大のメリットが死んでしまうのでそこを何とかという話で、ウェブマーケティングなどの会社が手伝おうかといったマッチングの方向へ。ただ、あまりにももう完成されているビジネスなんで何を手伝えばいいのか、といった声をメンターからはあがっていた。こんな商売が上海(中国)にはごまんとあるんだろうねえ。
今やオフショア開発でITシステム開発もどんどん中国にいっているわけだが、IT人材、特に中位レベル以上の人材不足は世界的にも深刻で、例えば中国でやる場合、日本語と中国語とそれらの文化やコミュニケーション術の差異にまで気を配って仕事のやりとりができるブリッジSEに至っては非常に足りず、ほとんど人材募集をしても見つけられない状態だ。そこでそうした人材を育成し、派遣していくビジネスをしたいとのプレゼン。ウェブ上にポータルをつくってマッチングシステムをつくることしか現状ではできないが、資金提供していただければきっちり人材を確保する拠点をつくって派遣業を展開できるとのこと。日本では人材派遣はもう細分化されて特化されたものがたくさんあるが、上海ではまだまだそこまでないので、チャンスがあるのだという。インドなんかだと英語もできるし違う面もあるんだろうけど、まあとにかくコンピュータ関連がみんな今は中国だからねえ、こういうブリッジSE人材をいかに確保できるかがキーの1つなんですね、勉強になりましたわ。
プレゼンした中では一番年齢が高い人だろうか。農業ビジネスのプレゼンがあった。農業をやっていて品種改良技術なども手がけてきた人で、空港がある浦東地域の農業地域に農業技術指導員として中国政府から招聘されてきたのが上海に来たきっかけだという。中国では巨大な農地が整備されていて設備も国営だからばっちり整っているが、国営の経営でうまくいかなくなって放置されているところもたくさんある。そういうところをどんどん提供してもらって、付加価値の高い日本の農業技術を導入していこうというのが基本の考え。2007年問題で団塊の世代が次の世代へ農業を譲る時期に、シニアで世界に誇る農業技術をもっている日本の農民を中国に連れてきて、土づくりも何も技術がない中国で技術指導をし、貧困にあえぐ中国農民もそれで生産を増強して豊かになるというどっちもよころぶモデルである。日本の農協は共同出荷から金融まで何でもやって弊害がすごくあったが、一方で農業技術の普及という意味ではかなり役立った。中国にはないので、中国における農協のようなもの、それも農業技術のシェアリングという部分を担うものをやっていきたいということだ。そのために、日本からシニア農民をリクルーティングする部分などを支援して欲しいとのこと。中国の退役軍人が主なメンバーになっている100%国出資の会社でやるので、いい技術さえ持ってこれれば自己資金などいらずにどんどんできてしまう。そのへんが社会主義国家のすごいところだ。このビジネスプランは私には一番衝撃的だった。また、例えばヨーロッパのバラはほとんどヨーロッパでは生産されておらず、ケニアで生産されているのだが、それを赤道直下で年間の気温が一定しているところだと大きくて丈夫な花が1年中出荷できるからで、サントリーが遺伝子組み換えでつくったブルーカーネーションも南アメリカでつくっているが、これを中国でもつくろうということで中国への安全性の申請書類の作成などもして、やっていくとのことだ。雲南省で大球場1つ分くらいの土地が確保できているので、いちごやカーネーションやバラを栽培していく予定だという。例えばコージーコーナーというケーキ屋があるが、ケーキは全て中国の山東省でつくられていて、冷凍で日本に来ている。しかし中国は夏いちごがないので、いちご不足なんだそうだ。そこでそういうところに供給する意味でも単価が高いいちごはターゲットしていいという。日本でもバブル時にはケーキ売り上げがすごくあがったそうだが、中国でもまだケーキはまずいのしかないので、おいしいケーキなら高くてもどんどん売れるだろうとのこと、といろいろ脱線してくるが、プレゼン後に好きな起業家のところにいって話を聞ける分科会で彼のところに行ったのでまたその報告は後ほどに。とにかく農業は基本だし、大きなビジネス。これは日本では聞けないレベルの話である。
最後のプレゼンは最も多くの人に強い印象を与えたスキンヘッドの32歳のマグロ漁師の息子で、上海でマグロ、それも中トロ・大トロだけの店をやっている。昼間は高級ホテルの日本食レストランなどへ卸し、夜はレストラン「天家」。もちろん中国で生の魚を食べるということはなく、なかなか売れず、マグロがこれだけ好きというのは日本独特なものなんだが、中国のモノ・ヒトが安いのを使ってなんかしようというのはもう時代遅れで、「日本のマグロ文化を中国に浸透させる」との中国人に日本文化を受け入れてもらうという意気込みでやるのがこれからだ、というのはすごく強いメッセージだった。世界のマグロの9割は一度築地に来て、そこからまた世界に出荷されるのだが、彼はもちろん築地からも入れているが、オーストラリアから直接入れるようなこともして、これなど業界的にはかなり画期的なことなんだそうだ。メンター社長で行ったことある人がとにかくおいしいと太鼓判。他のメンター社長もうちはIT系だから会社として支援は決裁できないが、個人的に行って応援という札ばかり。う〜ん、こういう人がいるから上海はおもしろい。
プレゼン終了後はそれぞれ興味のある起業家のところにメンターやオーディエンスが集まって分科会だが、なんかきっちりしタしきりがなく、ばらばらでイベント的には「らしい」ものにはなっていなかったが、すぐに実利的に次の話にすすむようなつながりをつくれる場であったことは事実なんだろう。分科会後の懇親会では起業家でも参加者と話すこともなく食事してる風景もあった。長時間のわりには気抜けした感じもあるイベントだったが、それだけ皆完成度も高く、来ている人たちも目的意識がある程度定まった人も多かったし、何といってもこのようなイベントでビジネスを披露して交流できる場をつくったということ自体に価値があり、一応成功したと言えるであろう。
懇親会で何人かとしゃべていたが、上海でこれからビジネスしたい日本からの留学生などもいたが、上海で1年やってきたよしださんらが出資している会社の社長とかもいるわけだし、その他にも今日集まっている人たちがどういう人たちで、どう結び付けたらいいかなんてマッチング役をする人がいなくて、せっかく同じ場に集まっていたのに出会うチャンスをみすみすなくしている例もあったんではないかと思う。とりあえずできる範囲で引き合わせはしたが、本当は参加者リストくらいつくっておいた方がよかったですよね。プレゼン一覧の紙一つ配布されなかったわけだし。ま、そんなでひとまずの報告はここまで。
以下、上海で感じたことの感想。誰かのプレゼンにもデータとして出ていたが、2010年には中国経済が日本を追い越すだろう。アジアの中心は中国になり、日本は没落していくのみかもしれない。公害がこれから深刻になるだろうと思ったが、半年や1年で一気に自転車が電気スクーターに変わることに象徴されるように、より進んだ技術が先に入ることによって公害を撒き散らす技術を飛び越すことができる可能性も高い。リニアモーターカーの商業運転もずっと先にやっているし、自動車もどんどん新しいものになっていて、自動車もほとんどがフォルクスワーゲンだったりバスならボルボだったりするし、リニアモーターカーもドイツの技術。そういうものをどんどん入れてすぐに使ってしまうのだから、余計な遺物がないだけ日本よりずっといかもしれない。日本は軍国主義で富国強兵をし、敗戦後はアメリカの軍事的傘のもと成長していったわけだが、中国は社会主義がいまだにきっちりしているから、いざ規制をするとなれば徹底してするから、それこそ偽物ブランド商売が激減したことに象徴されるようにやる気になればすぐ対応できるわけだ。
一方で、日本人のように過労死するほど働きすぎて、挙句に幸せも感じられないという社畜になってしまうのと比較して、中国人は監視していないとすぐさぼる。だから品質管理は徹底しないと恐いとよく言われる所以だが、これは裏を返せば、庶民の生きる知恵が賢いということなのだ。社会主義政権下で朝令暮改で勝手な政策を強権的にやられるかわりに、それをうまくやり過ごすスマートな生き方がきちんと身ついている。制度や社会に使われるだけ使われてぼろぼろになるようなやわな人間ではないのだ。
農業ビジネスの分科会でいろいろ聞いたのだが、中国産の野菜は農薬がたくさんで危険などという言われ方がされる場合もあるが、実際にはほとんどの中国農民は貧乏だから農薬を買えず、無農薬ばかりなのである。また、大規模農場で管理もコンピュータ化されているから、今後重要になるトレーサビリティーも日本よりずっと進んでいて完璧なトレーサビリティがすぐ可能になるのだ。農業は地産地消が一番いいが、都市への供給を考えた時に、将来を見越して準備をしている。雲南省はチベットと国境を接する秘境のようなところだが、ここでの農業には力を入れていて、雲南省からの農産物の輸送には補助金が出てすごく安いんである。2010年を越せば中国は農産物の輸出国から輸入国になるだろうとの予測もあり、きっちりと生産性の向上のために投資をしている。食糧安全保障も視野に入れた社会計画が遂行されているわけだ(日本とは違って)。
上海市で1300万、周辺部もあわせれば1億3千万もいるという規模だから、動けばすごいものになるし、だいたい中国は何千年も先進国であって日本との戦争中だけ後進国だっただけで、歴史の流れからすれば日本がリードしたのなど一瞬のこと。それにしても本当に日本の繁栄は短かったと言えよう。自動車生産でアメリカを抜いたとか喜んでからバブル崩壊まで。ほんの2〜30年だろうか。
中国の経済成長はすごすぎて、2008年北京オリンピック、2010年上海万博を過ぎると揺り戻しが来るんじゃないかとの声も少しはあるが、今がバブル的かもしれないとしても、日本ようなバブルにはなりえない。土地は国有だし、投機的な金融で儲けるということが構造上ないわけだから。土地の含み益だけで異常に盛り上がってドスンということはないわけだ。あくまでも実経済が動いていると言える。
ほんと、日本ももう人口減ってくし、余計な行政コストも削減して、ゆっくりそのへん耕してサブシステンス経済にしてこうよ。それしかもう選択肢ないと思うよ。アメリカは世界で政治的にも孤立してるし経済もボロボロだし、その傘のもとにいることをわれわれは民主的な制度のもとで合意してきたわけで、それはもう引き返せないとこまで来てるわけだし、日本のアジア内における価値なんてほとんどなくなってきてるんだからさ。
農業ビジネスの人は屋上緑化なんかもやっているわけだけど、ドイツなど都市計画の中に屋上緑化を組み込んでいるからそれに耐えられる丈夫な建築物が前提とされ、屋上に10〜15センチもの土を入れていろいろ植えるわけだ。日本では技術革新でどれだけ土を薄くするかということしかやってないが、ドイツだと集中豪雨でも屋根の土が吸収する分で急激に流量が増えることを避けるダムの役割だってするんだという。そうした都市計画をすれば、無駄ですぐ使えなくなるダムをつくるよりずっと効果的で、都市も豊かになるのにそういう計画は立てられない。それが日本の現状なんである。
上海からは飛行機2時間で大阪に着く。そしたらまた日本の現実を生きねばならない。というわけでまた私は地域に戻って地道に続けていくのである。
2005年02月13日
ドリームゲート大挑戦者祭 in 東京
旧都庁舎跡にできたおしゃれで巨大な東京国際フォーラム。「有楽町で会いましょう」の百貨店そごうはとっくにビックカメラになってる21世紀、カメラ店の裏がフォーラム。ちょうど開場時間に行ったが、すごい行列が階段上まで! うわ、さすが、ちょっと規模が違いすぎる。若年層の男性が多いが、初老の方だっておられる。最終的に3千人を越した本日の入場者数。
元リクルートで現プロジェクトニッポンの社長であるドリームゲート統括本部長の松谷氏の挨拶からメインステージは開始。いつもの吉田雅紀氏が引く起業調査、すなわち、起業家を尊敬すると回答する人がアメリカでは9割だが、日本は8%という話をし、ドリームゲート(以下、ドリゲと略す)は、日本に起業文化を根付かせるのだ、との理念を語るが、ちょっと違うのは、無理してみんなが起業しなくたっていいということ。ドリゲのインターンか何かの学生が、おかげで大イベント成功させたってわざわざ報告に来てくれて、でもそいつはNECか何かに就職しちゃう。でもそれでもいいのさ。あるいは起業なんて全然できない、そういう環境の人もいる。大事なのは、今ある環境の中で、いかに挑戦マインドを持つか、ってことなんだ。「ニッポンには挑戦者が足りない」。それが必ずしも 起業にならずとも、挑戦マインドがニッポンを変えていくのだ。
次に中川経産省大臣挨拶。あとで聞けば、役人が用意した内容とは全然違うことをしゃべったそう。今の日本は挑戦するということ以前に、もう元気がない。でも、従来の常識にとらわれずに考えたらどうか。例えば田中耕一さん。たまたま試薬をつくったが、間違ってしまい、常識的にはありえないものなのでそこでやめるんだが、捨てるのももったいないからとちょっとやってみた。それがたまたまノーベル賞受賞につながる発見になった。別に狙ったわけでも何でもない。そういうことがあるということ。また、石油屋というのは4品目(灯油、プロパ ン、ガソリン、軽油)しか扱えないが、これではジリ貧だから品目を増やしたいとコンビニにしたら扱える品目が1万に増えた。たった10年でそこまで換わる。Walkmanだって、盛田さんの奥さんが歩きながら音楽聞きたいわ、と言ったことからスタートして、あれだけの製品になった。挑戦する前段階として、ちょっとした刺激や疑問の存在に気づくかどうかが重要。そうした刺激や疑問にきちんと反応しさえすれば、それが挑戦につながり、成功につながっていくのだ。われわれはその挑戦のお手伝いをするのが役割だし、それ以上のことはできない。成功というのは、その人個人だけが享受するものではなく、価値を生み出すということであり、それは皆が共有できるものなのだ。いや、なかなか大臣まっとうじゃないですか。役人の用意した原稿を無視するだけの挨拶はしましたね。
ここで、ドリゲのメインキャラクターであるボブ・サップ登場。2003年に開始したドリゲも会員登録数30万人ということで、感謝の表彰状授与。サップもノックダウンされても起ちあがってきた、と挨拶。そして記念撮影タイム。マスコミ向け演出(マスコミ104人?も来たそうな)しっかりしてます。プロのイベント屋がすることです。
基調講演は、あのグッドウィルのCEO、折口氏だ。ジュリアナ東京プロデュース、ベルファーレ、とバブル全盛のディスコ、お立ち台で踊るあの大旋風をまきおこし、介護ではコムスンでヘルパー派遣。ただ者ではない。しゃべりも明確、力強 い。人を引き込む魔力がある。
よくこういう講演で、成功したという話を聞いても、それは運がよかっただとか環境のせいだとかいうことで、聞いても役立たないのが多いが、自分のは違うと言う。なぜならば、成功する原因というのがちゃんとあり、その原因をつくったからで、それをちゃんと話す。
まず、理念こそが最高に大切。それを十訓にしてあらわしている。 「十訓』
10年前に5人の従業員でマンションではじめた時から、5年以内にIPO、10年で売り上げ1千億へと目標をたて、理念とともに唱え続ける。そうすると、自然と潜在意識の中に入り込む。氷山のように潜在下にある力はとてつもなく大きい。
最初は人材サービスでトップを目指し、今はサービスコングロマリットでトップを目指す。トップを目指すには、完璧主義を排除。7割できたら次へ行く。次の段階で7割いけば、前の段階は自然と9割10割行っている。完璧にしてから次を目指すと遅れをとって進まない。
守らず、攻める。こう言うと勘違いする人がいるが、管理も攻めだ。キャッシュフローをちゃんと管理するのにITを導入するのも攻めだし、コンプライアンスのために大会社の優秀な人材を引き抜いてくるのも攻め。経営は下りのエスカレータをのぼっているようなもの。足を止めたらどんどん下がっていってしまう。歩き続けてやっと同じ位置をキープできる。
何事も本質を見、周囲の雑音は排除する。ボーリングの比喩で言うと、ストライクが成功。ストライクするにはセンターピンを倒さないといけない。後ろのピンがいくら倒れてもセンターピンに当たらなければ、ストライクはない。センターピンこそが本質で、そこを決めなければ意味がない。ディスコのセンターピンは何か。場所がいい、かっこいい雰囲気、最先端の音楽とDJ。それらはたしかに必要だろうが、本質じゃない。当時、月曜に満員のディスコはなかった。そりゃ月曜は仕事がはじまって疲れてるからだろうと思うが、居酒屋行けば満員だ。そのうえ、盛り上がろう、次はカラオケだ、と言ってる。疲れてるからじゃない。月曜なんてディスコに人はいないだろう、人が少ないと盛り上がらない、だからディスコには行かない、それが理由なのだ。月曜から満員になるディスコ、それがディ スコのセンターピンだ、と知る。半年かけて準備し、メディア対策をする。日経などにのってから、一流誌に取材させる。これは行かねば、と皆に思わせておいて、オープンしたらインビテーションを配りまくる。招待状出しても、ただだって人は忙しいのにわざわざ来やしない。でも事前にあおってるから行きたくなってる。だからインビテーションが効く。最初は1000人中有料の客は100人しかないような状況。でもいつも満員で盛り上がってる。人がいっぱい集まれば、はっきり言って音楽が多少よくなかくても盛り上がる、そういうものなんだ。
介護サービススタートする時も周囲に言われた。そういうのは病院にはかなわないよ、と。でも違う。たしかに病院は技術だ。汚かろうが厳しい人であろうが、技術さえよければ病院ははやる。歯が1ミリでもずれてたら嫌だから、きっちり治してくれるところが絶対いい。そして一度治ればもう二度と来ないようなところ。だが、介護は違う。居心地のよさこそ大切。オムツは毎日かえる。オムツを1ミリもずらさずきっちりつけることに意味はなく、いかに気持ちよく接するか、それが重要。
『ビジョナリー・カンパニー』たらんとすること。理念は十訓だけでなく、四字熟語のもある。「拡大発展」、「社会貢献」、「自己実現」。こうした理念を最重要視する。
技術面で言えば、いかに人を活かすか、ということ。そこでは、マネジメントはするが、コントロールはしない。自己実現するには、管理規制されていては「やらされている」という感じで人が活かされない。どんな人でも得意分野がある。それを当てはめれば、それが自己実現になる。人の欲求段階で一番高位にあるのは社会貢献して喜ばれることで、それが自己実現になるし、事業(会社)も拡大発展する。会社はCompany(仲間)。それぞれが得意を活かしきっていければよく、管理する対象ではない。だが、どうしてもだめな人間もいる。それは辞
めてもらう。見分け方は簡単。「能力×情熱×考え方」。掛け算なのが重要。つまり一つでもゼロがあると、全部ゼロになる。能力は入社試験や履歴書を見れば大きくはずれないし、情熱も面接で分かる。だが、考え方は一緒に仕事をしてみないと分からない。いろいろ言っても変わらない場合はだめ。ここでの「考え方」は「正しさ」ということ。十訓の最後にあるが、最後には正攻法、迷ったら正しい方を選べ、この考え方ができない人はだめ人間と認定できる。
最後に伝えたいこと。それは「常に当事者たれ」という考え方。ここで講演を聞いてる人で、受身的になるほどと聞いていてもいいが、自分が講演する立場だったら何を話すだろうか、と考えながら聞けているかどうか。それが当事者意識だ。例えば、結婚式に出席して主賓挨拶を聞いていて、長いなあ、つまらない、はやく終わらないか、なんて思ってるのはだめ。自分が主賓挨拶する時のことを考えて聞く。そうすると全然違う聞き方ができるし、いざ自分がする時にも揺るがない自信もつく。レストランで食事をしても、経営者の考え方で食事をする。ただ、あそこはまずい、サービスが悪いと文句を言うだけでは雑すぎてだめ。自分が経営者だったら、食器はこうして塩味はもう少し控えればもっとよくなる、などきちんと分析する。その研ぎ澄まされた考えに基づいたデータベースをためこむことが大切。それを経営者はしている。それが常に当事者であるという考え方なのだ。
メインステージ第二幕は、ライブドアほりえもんと柔道金メダリストの古賀稔彦氏。コーディネータはドリゲ編集長の野村氏。政治番組はつまらんが、田原総一郎が聞き出すとまあおもしろいということはあるが、それを感じさせる内容。吉田雅紀さんだってコーディネータは得意ではないが、彼ならもっと本音でずけずけ聞けたんじゃないかと思う。その点で、優等生的な内容ではあったが、これだけの有名人を呼んだわりには、その魅力を最大限引き出せなかった点で、ちょっと期待以下だったか。もっとも堀江氏はもともと淡々としてるから、それはそ
れなんだが、古賀氏はまじめだしな。最後の方ではボブ・サップ乱入するも意味不明。またマスコミ向け写真撮影会になる。もうこの手のリクルート的イベントだけでは次の段階にはいけない、そんな臨界点を象徴するような空気が観客席から漏れていたのも現実。とりあえず、ほりえもんのちょっと印象に残った言葉を断片的に以下、紹介。
堀江氏は、国は国民を裏切るし、マスコミは真実と乖離したことばかり言っている、とはっきり宣言。ニッポン放送とフジサンケイグループのことだって、スキャンダルがちょっとあった時だけマスコミは騒ぐが、そもそもの歴史的経緯も事実も何もほとんど知らないで、皆わあわあ言ってるだけ。
自分は1円起業には反対だが、国が制度をつくってたった11億(ドリームゲートプロジェクトに経産省が年間出している予算)で2万社会社ができたのはいいこと。制度はあるんだし、法律があるんだから、それをどんどん利用すればいい。制度はあるのに、しがらみにしばられて何もしてない人が多過ぎ。自分は負けるかもと不安になったりはしないが、仮にそういう不安があったとしても、自身いっぱい倒産とか自己破産とか見てきたが、みんな楽しく生きている。失敗してもゼロになるだけで、自己破産しても最低限の衣食住は保障されている。倒産したら、取引先への道義的責任でお金を返す人はいるが、それは道義的責任であって、法的には返さなくてもいい。少なくとも道義的責任をとって自殺する必要はない。ずっと前から、別に首なんか吊る必要は全然ない。そういう制度をちゃんと理解してないだけだ。
真実を知り、きちんと考えることだ。詰め将棋と同じで、考えれば、詰んでくるのだ。
例えば、自分は考古学が好きだが、あれは金がかかる。社長業を続けられないくらい体力がなくなった隠居時にはそんなこともしたいが、自分がしたいことをするのに多くの人のコンセンサスをとらないといけないのは疲れるし、無駄な時間と労力がかかる。挙句にできなかったりする。自分のお金があれば、誰のコンセンサスも得る必要なく、自分の好きなことができる。そのための手段として、コンセンサスを得ずに自分の好きなことをして金を稼ぐ、その際の選択肢には、起業しかなかったというだけのことだ。
毎日8時間寝て、毎日おいしいものを食べていればやっていける。明日、起業してください。それが皆さんへのメッセージ。
メインステージ第三幕は、サイバーエージェント藤田氏とテイクアンドギヴ・ニーズの野尻氏。ライブドア堀江氏らとだいたい同年代。プライベートでいい関係性あり、競っているという。サイバーエージェントも六本木ヒルズにあり豪勢だが、いい人材を集めることが最重要なので、そのために、いい人材ががむちゃくちゃがんばれる環境をつくる、という意味合いがある。両氏に共通しているのが、やはりビジョナリー・カンパニーということで、強い理念をもって、皆で一緒に会社を大きくしようとする。強いリーダーシップの時代ではなく、皆で一緒に大きくなろうというほうがいい人材も集まる。21世紀のニッポンを代表する世界に誇れる会社をつくるというのも共通しており、大きく、また分かりやすく言えば、海外で空港から町に出るとソニーや日立の看板があるが、そういう企業になるということ。ただ、21世紀は前世紀のような大企業の手法でそうはならないだろうということ。どんどん20代30代の若いベンチャー社長が出てきて世の中を変えないと、日本はだめになる。ちょっとおもしろかったのは、どちらもIPOしているが、東証上場には面接試験があり、今まで誰も落ちてないが、この二人がはじめて落ちたという。コーポレートガバナンスって何か、と聞かれてまともにこたえられなかったという。でも20代でIPO平気でする、MBA出て恥のないように準備してとかやっているより、どんどん突き進んでやることの方がずっと実力がつくし、ずっと先に進める。
個人的には「社会起業家としての起業〜コミュニティベンチャー」のパネルディスカッションが一番おもしろかったかな。社会起業といってもメインステージの大起業家との共通点がたくさんあるのが発見。徳島で葉っぱをお金にかえる、80代のおばちゃんを熱中させるビジネスやってる横石さんの「田舎では謙虚という背番号をつけて下りのエスカレータを上がる」と言っていたのが印象深い。仙台のNPOやってる大塚氏のネットワーク広げるには、自分がどれだけ相手に貢献できるかと、相手にどれだけ感謝できるかの2点だけあればよいと明言するのも18年やってきた重みあって深い。北海道の若き横井氏は、社会貢献事業でも、金を稼げないというのは価値をうんでない、評価されていない、ニーズがないことだと認識してやっていることを明言。コーディネートしたのはNPO法人ETIC. の宮城氏。このNPOちょっとだたものじゃないな。
元リクルートで現プロジェクトニッポンの社長であるドリームゲート統括本部長の松谷氏の挨拶からメインステージは開始。いつもの吉田雅紀氏が引く起業調査、すなわち、起業家を尊敬すると回答する人がアメリカでは9割だが、日本は8%という話をし、ドリームゲート(以下、ドリゲと略す)は、日本に起業文化を根付かせるのだ、との理念を語るが、ちょっと違うのは、無理してみんなが起業しなくたっていいということ。ドリゲのインターンか何かの学生が、おかげで大イベント成功させたってわざわざ報告に来てくれて、でもそいつはNECか何かに就職しちゃう。でもそれでもいいのさ。あるいは起業なんて全然できない、そういう環境の人もいる。大事なのは、今ある環境の中で、いかに挑戦マインドを持つか、ってことなんだ。「ニッポンには挑戦者が足りない」。それが必ずしも 起業にならずとも、挑戦マインドがニッポンを変えていくのだ。
次に中川経産省大臣挨拶。あとで聞けば、役人が用意した内容とは全然違うことをしゃべったそう。今の日本は挑戦するということ以前に、もう元気がない。でも、従来の常識にとらわれずに考えたらどうか。例えば田中耕一さん。たまたま試薬をつくったが、間違ってしまい、常識的にはありえないものなのでそこでやめるんだが、捨てるのももったいないからとちょっとやってみた。それがたまたまノーベル賞受賞につながる発見になった。別に狙ったわけでも何でもない。そういうことがあるということ。また、石油屋というのは4品目(灯油、プロパ ン、ガソリン、軽油)しか扱えないが、これではジリ貧だから品目を増やしたいとコンビニにしたら扱える品目が1万に増えた。たった10年でそこまで換わる。Walkmanだって、盛田さんの奥さんが歩きながら音楽聞きたいわ、と言ったことからスタートして、あれだけの製品になった。挑戦する前段階として、ちょっとした刺激や疑問の存在に気づくかどうかが重要。そうした刺激や疑問にきちんと反応しさえすれば、それが挑戦につながり、成功につながっていくのだ。われわれはその挑戦のお手伝いをするのが役割だし、それ以上のことはできない。成功というのは、その人個人だけが享受するものではなく、価値を生み出すということであり、それは皆が共有できるものなのだ。いや、なかなか大臣まっとうじゃないですか。役人の用意した原稿を無視するだけの挨拶はしましたね。
ここで、ドリゲのメインキャラクターであるボブ・サップ登場。2003年に開始したドリゲも会員登録数30万人ということで、感謝の表彰状授与。サップもノックダウンされても起ちあがってきた、と挨拶。そして記念撮影タイム。マスコミ向け演出(マスコミ104人?も来たそうな)しっかりしてます。プロのイベント屋がすることです。
基調講演は、あのグッドウィルのCEO、折口氏だ。ジュリアナ東京プロデュース、ベルファーレ、とバブル全盛のディスコ、お立ち台で踊るあの大旋風をまきおこし、介護ではコムスンでヘルパー派遣。ただ者ではない。しゃべりも明確、力強 い。人を引き込む魔力がある。
よくこういう講演で、成功したという話を聞いても、それは運がよかっただとか環境のせいだとかいうことで、聞いても役立たないのが多いが、自分のは違うと言う。なぜならば、成功する原因というのがちゃんとあり、その原因をつくったからで、それをちゃんと話す。
まず、理念こそが最高に大切。それを十訓にしてあらわしている。 「十訓』
10年前に5人の従業員でマンションではじめた時から、5年以内にIPO、10年で売り上げ1千億へと目標をたて、理念とともに唱え続ける。そうすると、自然と潜在意識の中に入り込む。氷山のように潜在下にある力はとてつもなく大きい。
最初は人材サービスでトップを目指し、今はサービスコングロマリットでトップを目指す。トップを目指すには、完璧主義を排除。7割できたら次へ行く。次の段階で7割いけば、前の段階は自然と9割10割行っている。完璧にしてから次を目指すと遅れをとって進まない。
守らず、攻める。こう言うと勘違いする人がいるが、管理も攻めだ。キャッシュフローをちゃんと管理するのにITを導入するのも攻めだし、コンプライアンスのために大会社の優秀な人材を引き抜いてくるのも攻め。経営は下りのエスカレータをのぼっているようなもの。足を止めたらどんどん下がっていってしまう。歩き続けてやっと同じ位置をキープできる。
何事も本質を見、周囲の雑音は排除する。ボーリングの比喩で言うと、ストライクが成功。ストライクするにはセンターピンを倒さないといけない。後ろのピンがいくら倒れてもセンターピンに当たらなければ、ストライクはない。センターピンこそが本質で、そこを決めなければ意味がない。ディスコのセンターピンは何か。場所がいい、かっこいい雰囲気、最先端の音楽とDJ。それらはたしかに必要だろうが、本質じゃない。当時、月曜に満員のディスコはなかった。そりゃ月曜は仕事がはじまって疲れてるからだろうと思うが、居酒屋行けば満員だ。そのうえ、盛り上がろう、次はカラオケだ、と言ってる。疲れてるからじゃない。月曜なんてディスコに人はいないだろう、人が少ないと盛り上がらない、だからディスコには行かない、それが理由なのだ。月曜から満員になるディスコ、それがディ スコのセンターピンだ、と知る。半年かけて準備し、メディア対策をする。日経などにのってから、一流誌に取材させる。これは行かねば、と皆に思わせておいて、オープンしたらインビテーションを配りまくる。招待状出しても、ただだって人は忙しいのにわざわざ来やしない。でも事前にあおってるから行きたくなってる。だからインビテーションが効く。最初は1000人中有料の客は100人しかないような状況。でもいつも満員で盛り上がってる。人がいっぱい集まれば、はっきり言って音楽が多少よくなかくても盛り上がる、そういうものなんだ。
介護サービススタートする時も周囲に言われた。そういうのは病院にはかなわないよ、と。でも違う。たしかに病院は技術だ。汚かろうが厳しい人であろうが、技術さえよければ病院ははやる。歯が1ミリでもずれてたら嫌だから、きっちり治してくれるところが絶対いい。そして一度治ればもう二度と来ないようなところ。だが、介護は違う。居心地のよさこそ大切。オムツは毎日かえる。オムツを1ミリもずらさずきっちりつけることに意味はなく、いかに気持ちよく接するか、それが重要。
『ビジョナリー・カンパニー』たらんとすること。理念は十訓だけでなく、四字熟語のもある。「拡大発展」、「社会貢献」、「自己実現」。こうした理念を最重要視する。
技術面で言えば、いかに人を活かすか、ということ。そこでは、マネジメントはするが、コントロールはしない。自己実現するには、管理規制されていては「やらされている」という感じで人が活かされない。どんな人でも得意分野がある。それを当てはめれば、それが自己実現になる。人の欲求段階で一番高位にあるのは社会貢献して喜ばれることで、それが自己実現になるし、事業(会社)も拡大発展する。会社はCompany(仲間)。それぞれが得意を活かしきっていければよく、管理する対象ではない。だが、どうしてもだめな人間もいる。それは辞
めてもらう。見分け方は簡単。「能力×情熱×考え方」。掛け算なのが重要。つまり一つでもゼロがあると、全部ゼロになる。能力は入社試験や履歴書を見れば大きくはずれないし、情熱も面接で分かる。だが、考え方は一緒に仕事をしてみないと分からない。いろいろ言っても変わらない場合はだめ。ここでの「考え方」は「正しさ」ということ。十訓の最後にあるが、最後には正攻法、迷ったら正しい方を選べ、この考え方ができない人はだめ人間と認定できる。
最後に伝えたいこと。それは「常に当事者たれ」という考え方。ここで講演を聞いてる人で、受身的になるほどと聞いていてもいいが、自分が講演する立場だったら何を話すだろうか、と考えながら聞けているかどうか。それが当事者意識だ。例えば、結婚式に出席して主賓挨拶を聞いていて、長いなあ、つまらない、はやく終わらないか、なんて思ってるのはだめ。自分が主賓挨拶する時のことを考えて聞く。そうすると全然違う聞き方ができるし、いざ自分がする時にも揺るがない自信もつく。レストランで食事をしても、経営者の考え方で食事をする。ただ、あそこはまずい、サービスが悪いと文句を言うだけでは雑すぎてだめ。自分が経営者だったら、食器はこうして塩味はもう少し控えればもっとよくなる、などきちんと分析する。その研ぎ澄まされた考えに基づいたデータベースをためこむことが大切。それを経営者はしている。それが常に当事者であるという考え方なのだ。
メインステージ第二幕は、ライブドアほりえもんと柔道金メダリストの古賀稔彦氏。コーディネータはドリゲ編集長の野村氏。政治番組はつまらんが、田原総一郎が聞き出すとまあおもしろいということはあるが、それを感じさせる内容。吉田雅紀さんだってコーディネータは得意ではないが、彼ならもっと本音でずけずけ聞けたんじゃないかと思う。その点で、優等生的な内容ではあったが、これだけの有名人を呼んだわりには、その魅力を最大限引き出せなかった点で、ちょっと期待以下だったか。もっとも堀江氏はもともと淡々としてるから、それはそ
れなんだが、古賀氏はまじめだしな。最後の方ではボブ・サップ乱入するも意味不明。またマスコミ向け写真撮影会になる。もうこの手のリクルート的イベントだけでは次の段階にはいけない、そんな臨界点を象徴するような空気が観客席から漏れていたのも現実。とりあえず、ほりえもんのちょっと印象に残った言葉を断片的に以下、紹介。
堀江氏は、国は国民を裏切るし、マスコミは真実と乖離したことばかり言っている、とはっきり宣言。ニッポン放送とフジサンケイグループのことだって、スキャンダルがちょっとあった時だけマスコミは騒ぐが、そもそもの歴史的経緯も事実も何もほとんど知らないで、皆わあわあ言ってるだけ。
自分は1円起業には反対だが、国が制度をつくってたった11億(ドリームゲートプロジェクトに経産省が年間出している予算)で2万社会社ができたのはいいこと。制度はあるんだし、法律があるんだから、それをどんどん利用すればいい。制度はあるのに、しがらみにしばられて何もしてない人が多過ぎ。自分は負けるかもと不安になったりはしないが、仮にそういう不安があったとしても、自身いっぱい倒産とか自己破産とか見てきたが、みんな楽しく生きている。失敗してもゼロになるだけで、自己破産しても最低限の衣食住は保障されている。倒産したら、取引先への道義的責任でお金を返す人はいるが、それは道義的責任であって、法的には返さなくてもいい。少なくとも道義的責任をとって自殺する必要はない。ずっと前から、別に首なんか吊る必要は全然ない。そういう制度をちゃんと理解してないだけだ。
真実を知り、きちんと考えることだ。詰め将棋と同じで、考えれば、詰んでくるのだ。
例えば、自分は考古学が好きだが、あれは金がかかる。社長業を続けられないくらい体力がなくなった隠居時にはそんなこともしたいが、自分がしたいことをするのに多くの人のコンセンサスをとらないといけないのは疲れるし、無駄な時間と労力がかかる。挙句にできなかったりする。自分のお金があれば、誰のコンセンサスも得る必要なく、自分の好きなことができる。そのための手段として、コンセンサスを得ずに自分の好きなことをして金を稼ぐ、その際の選択肢には、起業しかなかったというだけのことだ。
毎日8時間寝て、毎日おいしいものを食べていればやっていける。明日、起業してください。それが皆さんへのメッセージ。
メインステージ第三幕は、サイバーエージェント藤田氏とテイクアンドギヴ・ニーズの野尻氏。ライブドア堀江氏らとだいたい同年代。プライベートでいい関係性あり、競っているという。サイバーエージェントも六本木ヒルズにあり豪勢だが、いい人材を集めることが最重要なので、そのために、いい人材ががむちゃくちゃがんばれる環境をつくる、という意味合いがある。両氏に共通しているのが、やはりビジョナリー・カンパニーということで、強い理念をもって、皆で一緒に会社を大きくしようとする。強いリーダーシップの時代ではなく、皆で一緒に大きくなろうというほうがいい人材も集まる。21世紀のニッポンを代表する世界に誇れる会社をつくるというのも共通しており、大きく、また分かりやすく言えば、海外で空港から町に出るとソニーや日立の看板があるが、そういう企業になるということ。ただ、21世紀は前世紀のような大企業の手法でそうはならないだろうということ。どんどん20代30代の若いベンチャー社長が出てきて世の中を変えないと、日本はだめになる。ちょっとおもしろかったのは、どちらもIPOしているが、東証上場には面接試験があり、今まで誰も落ちてないが、この二人がはじめて落ちたという。コーポレートガバナンスって何か、と聞かれてまともにこたえられなかったという。でも20代でIPO平気でする、MBA出て恥のないように準備してとかやっているより、どんどん突き進んでやることの方がずっと実力がつくし、ずっと先に進める。
個人的には「社会起業家としての起業〜コミュニティベンチャー」のパネルディスカッションが一番おもしろかったかな。社会起業といってもメインステージの大起業家との共通点がたくさんあるのが発見。徳島で葉っぱをお金にかえる、80代のおばちゃんを熱中させるビジネスやってる横石さんの「田舎では謙虚という背番号をつけて下りのエスカレータを上がる」と言っていたのが印象深い。仙台のNPOやってる大塚氏のネットワーク広げるには、自分がどれだけ相手に貢献できるかと、相手にどれだけ感謝できるかの2点だけあればよいと明言するのも18年やってきた重みあって深い。北海道の若き横井氏は、社会貢献事業でも、金を稼げないというのは価値をうんでない、評価されていない、ニーズがないことだと認識してやっていることを明言。コーディネートしたのはNPO法人ETIC. の宮城氏。このNPOちょっとだたものじゃないな。
2004年09月23日
HAPPYSOHO & SOHO*egg合同文化祭に参加しました
本町駅をおりて辰野ビル前に着くと、華やかな文化祭のポスターが迎えてくれて案内されるSOHO*eggでの大文化祭。受付で、後ほどお楽しみの抽選くじと景品を受け取り、中に入ると、ブース出展の方々が楽しそうに準備中。まさに「文化祭」って感じですね!
SOHO何でも表彰式からはじまりますが、受賞者もマイペースで集まってきて、10時からやや遅れて開始。それで楽しみにしていたHAPPYSOHO社長、金森さんの正式な挨拶はなし。でもその後はじまる授賞式で、代表の挨拶なんていらない、それぞれのSOHOが皆輝いているというのが伝わってきます。
引き続き、営業などのプレゼンタイム。NTTさんのIP電話デモ、関西異業種交流会KICK OFF KANSAIのイベント案内、アートワークプロジェクトのパフォーマンス、とどんどん続いていきます。
ブース出展の方々の紹介も全て終わると、マイコーチジャパンによるコーチングの無料セミナーとコーチング体験。これは流行りですが、自己管理に自信がない人にはおすすめかもしれませんね。自我が強い人には必要ないです(笑) コーチの方々も独立起業した人が多いのが特徴で、その人生経験の方に興味を持ちましたよ。
お昼ごはんは、模擬店の100円カレーや焼きそば、フランクフルト&スープやおにぎりで和気藹々。
続いてSOHOフレンド講演では、「お客様に感謝される仕事をするコツ」と題して印刷関係のプランニングを行っているSOHOの上瀬さんがトップバッターとして講演。お客のお客になる、客の側に立ったフレンドリーさを持って気軽にアドバイスできる関係性を持つことが大事で、客にペコペコしてもかえってよくない結果が生じることを具体的仕事の現場例から話されました。
次に奥田さんの「わたしはこうしてステップアップした」では、すぐに結婚して子育てをして平凡な専業主婦をした時からはじまって、子どもが幼稚園に行く頃から、最初はファーストフードで働いて、自分がどんな状態でも笑顔でいることと、お客様の立場にたって何をしてもらえるとうれしいかを追求した日々から固定客がつくなどのエピソードを披露。ファーストフードは子どもの夏休みには学生アルバイトが入るので自由に休めるのがよかったというのにはなるほどなるほど。さらには子どもの成長にしたがって自由が時間が多くなり、OLのデスクワークへの憧れから近所の会社のOLに。でも近所なので、子どもの休み期間でもお昼に自宅へ帰ってご飯を一緒に食べられるのがよかったというのも、うまい働き方だな、と思わせます。その後、憧れの大阪中心地区(中央区や北区)でのOLもやり、そこで起業支援の仕事と出会って剱山を積み、今はややフリーな立場で充電しつつ次の大きな仕事に取り組んでいるとか。自分の置かれた立場による制限の中で、最大限自由に楽しく働いていてステップアップしていく、その姿に感動します。
最後の黒木さんの「女性限定! トレーニングの現場を作る」は、女性限定なので男性の私は聞いていませんでしたが、女性に働きにくさを女性が集まって変えていくべくトレーニングをしよう、ということが内容だったと思います。
同時並行もして、HAPPYSOHOの各お仕事の部門別にトライアル体験もあり、データ入力のトライアルをされている男性の姿も見えました。HAPPYSOHOでは年数千円の会費を払ってトライアルに通ると、お仕事につながってきます。講座やセミナーも割引になりますが、DTPセミナー教材も販売していましたよ。通販も可です。
抽選大会ではブース3ヶ月無料使用券まであって、当たった人は大喜び。最後に打ち上げパーティーまであって、遅くまでSOHO話で盛り上がりました。文化祭という懐かしさを思い出させる手づくりのママさんイベントの暖かさを感じた1日でした。






